「あれ?猫がくしゃみしてるな?どうしたのかな?」
と思う事ありませんか?
気にしなくてもよいものなのか、また、どこからが病気なのか、気になりますよね。
今回はそんな猫のくしゃみについてまとめました。
猫のくしゃみの原因は?
くしゃみというのは、鼻に異物が入った時にそれを出そうとする生理現象です。
人間でも、鼻にほこりが入ったりするとくしゃみが出ますよね。
猫もそれと同じことが起こっています。
1~2回クシャンとするだけなら、この生理現象からくるくしゃみです。
これは全く心配することはありません。
でも、心配のないくしゃみと、病気のサインであるくしゃみがあります。
<病気の可能性があるくしゃみ>
・くしゃみが長期間続く
・一日中ずっとくしゃみが出る
・黄色い粘着性のある鼻水が出ている
・鼻血が出ている
・涙・目やにも出ている
・顔が腫れている
・食欲もない
こういった症状があるのであれば、病気から引き起こされたくしゃみかもしれません。
また、近くに芳香剤やアロマなど香りがするものがあり、それが鼻を刺激している可能性もありますので、そういったものがある場合は片付けてみましょう。
◎こちらもご参考に
→「猫の好きな香り、嫌いな香り。アロマは安全or危険?症状は?」
猫のくしゃみから疑われる病気
猫クラミジア感染症
2~6か月の子猫がかかりやすい病気。
猫クラミジアに感染すると以下の症状が出ます。
・くしゃみや鼻水が出続ける
・大量の目ヤニ
・目の充血
・結膜炎
・呼吸器系の炎症(肺炎・気管支炎)
すでに猫クラミジアに感染している猫からうつります。
直接接触しなくても、トイレ・ブラシ・食器の共有によってもうつります。
母猫から子猫への感染もあります。
子猫は炎症だけに留まらず、死んでしまう場合もあります。
まれに人間にもうつり、結膜炎になってしまうことも。
小さいお子さんがいるご家庭では、クラミジアに感染した猫がいる場合は、消毒を心がけて下さい。
5種混合ワクチンと7種混合ワクチンにはクラミジアも含まれていますので、外に出てしまう子はワクチン接種をしておくと安心です。
治療は、抗生物質の投与をします。
重度になると治療がたいへんになるので、早期に発見して病院に行きましょう。
猫カリシウイルス感染症
猫カリシウイルスに感染すると以下の症状が出ます。
・くしゃみや鼻水が出続ける
・大量の目ヤニ・涕が出る
・口内炎・舌炎
・よだれをたらす
・口臭がきつくなる
・発熱
・食欲がない
感染した猫の鼻水や目やになどからうつりますので、接触しないことが重要です。
人間が、外出先で感染した猫に接してウイルスを持ち帰ってしまうこともあります。
乾燥した冬に、特に感染力が高まるようです。
一度完治しても、体の中にウイルスが残るので、症状が出ていなくてもその猫のくしゃみでうつってしまったりもします。
だいたいの場合は適した治療をすれば数週間で症状は納まります。
しかし、子猫や高齢の猫のような体力がなく免疫力の低い猫の場合、重症化することもあります。
三種混合ワクチンで予防することが可能です。
猫エイズウイルス感染症
免疫機能が低下し、比較的軽く済む病気がなかなか治らなかったり、重症化したりします。
ひどくなると、肺炎やガンになることも。
<以下のような症状が出ることがあります>
・くしゃみ・鼻水
・食欲不振
・口内炎
・口臭がきつくなる
・発熱
・貧血
・下痢
・リンパ節が腫れる
猫エイズウイルスは空気感染ではなく、血液や唾液からうつりますので、感染した猫に噛まれたり、感染猫が母親だったりする場合にうつります。
感染直後は「急性期」という時期があり、数か月風邪のような症状が出て治まります。
そのあとは発症しない限りは体調に変化はありません。
猫エイズウイルスを持っていても、一生発症せず元気な猫もいます。
有効な治療法はまだ見つかっていませんので、発症した場合は対処療法になります。
猫エイズウイルスに対する予防接種もありますが、室内飼いであれば感染経路がありませんので、特に必要ありません。
外出の習慣がある場合は野良猫と接触するかもしれませんので、予防接種をしておくとよいですね。
猫ウイルス性鼻気管支炎(猫ヘルペス)
「猫インフルエンザ」「猫コリーザ」とも呼ばれます。
目、鼻、口、等に症状が出るのが特徴。
子猫・老猫のような免疫力の弱めな猫は、肺炎やウイルス血症を併発し、死に至ることもあります。
妊娠中なら流産することも。
<以下のような症状が出ることがあります>
・くしゃみ・鼻水
・食欲不振
・口内炎
・涙や、目やに
・発熱
・角膜炎、結膜炎
・咳
・副鼻腔炎
・皮膚炎
接触感染しますので、ウイルスを持った猫の近付かないことが大切。
外出する猫は野良猫と接触する可能性があるため「三種混合ワクチン」の摂取がオススメ。
ただ、ワクチンを打ってもまれに感染することがあります。
一度感染すると、体内にウイルスが潜伏しますので、治ったように見えても体が弱った時に症状が出てきます。
また、感染源となってしまいます。
基本的に対処療法で対応されます。
マイコプラズマ
くしゃみ、鼻水、発熱などの症状が出ますが、ただの風邪かなとあなどっていたら、全く治らない・・・ということが起こります。
<以下のような症状が出ることがあります>
・くしゃみ、鼻水が続く
・咳をする
・発熱
・結膜炎
・感染性関節炎
・脚を引きずる
感染猫との接触、咳やくしゃみから、うつります。
食器やトイレなども共有しないようにしましょう。
猫のマイコプラズマは人間には感染しません。
鼻炎
ウイルス・病原菌・寄生虫・腫瘍・アレルギーなど、様々な原因で鼻炎が起こります。
鼻粘膜の刺激により、炎症が起こっている状態です。
慢性化すると、サラサラの鼻水から黄色いドロドロした鼻水になり、鼻血が混じったりします。
重症になると、病原菌が脳に侵入することもあり危険です。
鼻粘膜の刺激から、くしゃみも起こります。
鼻詰まりから口呼吸になったりもします。
鼻炎の治療は、吸入器を使った対処療法や、ウイルスを殺す治療であったり、寄生虫の駆除、異物の除去など、原因に応じて多岐に渡ります。
副鼻腔炎(蓄膿症)
人間では時々副鼻腔炎の方に出会いますが、猫でも副鼻腔炎があるのですね。
鼻の奥にある空洞部分が「副鼻腔」と呼ばれており、ここに膿が溜まることを「副鼻腔炎」と言います。
<以下のような症状が出ることがあります>
・くしゃみ、鼻水が続く
・口呼吸
・いびきをかく
・鼻や口からにおいがする
・鼻のあたりが腫れる
・血が混じった鼻水
原因は鼻腔に炎症が起こり「鼻炎」になったことから影響が波及し、副鼻腔にも炎症が起こってしまうこと。
これが一番多い原因で、あとは歯周病からの影響もあります。
鼻炎が原因の場合は、まずは抗生剤などで鼻炎の治療をします。歯周病の場合もその治療をします。
呼吸困難が起こっている場合は、吸入器を使用します。
鼻腔の膿を出すために、チューブを入れて吸い出す治療もあります。
人間の治療と似ていますね!
クリプトコッカス症
クリプトコッカスという真菌に感染することにより発症する病気です。
<以下のような症状が出ることがあります>
・くしゃみ、鼻水が続く
・口呼吸
・いびきをかく
・鼻水がねばねばしている
・鼻のあたりが腫れる
・血が混じった鼻水
・痙攣、麻痺など
鼻の周辺にしこりができることもあり、また慢性化しやすいので、しこりが内蔵にまで達することもあります。
ハトやニワトリのふんの中にある酵母様真菌の一種「クリプトコッカス・ネオフォルマンス」が土壌を汚染し、胞子を吸い込んだり、傷口から侵入して感染します。
猫の常在菌としても存在しているので、普段は大丈夫ですが、免疫低下している時に感染したり症状が出たりします。
犬や人もかかります。
治療法は、抗真菌薬の投与です。治療期間は数カ月~1年と長いです。
完全に予防することは難しいですが、ハトが媒介になるので、ハトがたくさんいる場所にはいかないようにするといいかもしれません。
マンションのベランダにあったハトのふんから感染したケースもあります。
猫のくしゃみ対策
ワクチン接種をしておく
室内で飼っているのであれば3種混合ワクチン、外に出る猫の場合は7種混合ワクチンを接種しておくことで、伝染病にかかりづらくなります。
だいたいの病気は野良猫からもらってくることが多いのですがワクチンを打っておけば、幾分安心できます。
◎ワクチンについて詳しくはこちら
→「猫にワクチンは必要?種類・値段・回数は?副作用はある?」
室内飼いをする
外からもたらされる病気がほとんどなので、室内飼いを徹底すれば、ほとんど危険はありません。
人間も、外から帰って来たら手を洗う
外出先で他の猫と触れ合ったり、感染した猫が通ったところを知らずに通った時になんらかの病原菌を持ち帰ることも考えられます。
帰ったら手洗いをして、着替えてから猫と接すると安心です。
アロマや芳香剤を片付ける
元気があるのにくしゃみをたくさんする場合は、アロマや芳香剤など、鼻を刺激するものが家の中にある可能性があります。
その場合はそれを片付けてあげましょう。
◎こちらもご参考に
→「猫の好きな香り、嫌いな香り。アロマは安全or危険?症状は?」
多頭飼いで、感染猫がいる場合は隔離する
猫同士の感染は簡単にされますので、多頭飼いの場合は感染した猫を隔離する必要があります。
おかしいと思ったら、動物病院に行く
くしゃみをしていておかしいな?と思われたらとりあえず病院で診てもらいましょう。
早期発見が治療の期間を短くしたり、猫の苦しみを緩和したりします。
においが強めのごはんにする
鼻が詰まっているときは、当然においがあまり感じられません。
かつおぶしをかけてみたり、普段よりにおいが出るようなフードにしてみると、ごはんと認識してくれて食べてくれます。
鼻のお手入れ
鼻水・目ヤニが出る病気であれば、こまめにふいてあげましょう。
拭きとったあとは手洗いをして、他の猫に接しましょう。
まとめ
「猫のくしゃみが止まらない・・・それって!?」
というテーマで書いてみました。
くしゃみの裏で、意外な病気が隠れているかもしれません。
多頭飼いの場合は、すぐに他の猫にうつってしまう可能性もあるので、早めに病院で原因究明して、うつる場合は隔離しないといけません。
飼い猫の様子は気になるものですが、くしゃみもよく気にしてあげようと誓った私です。